君の歌がきこえる~布施明情報blog~(準備中)

ディスコグラフィー、出演番組など布施明さんの情報を紹介するblogです。各記事の日付は発表/放送日となっています。

私家版ライナーノーツ「布施明がバカラックと会った時」(A面)

布施明がバカラックに会った時(紙ジャケット仕様)

 

 1. ME JAPANESE BOY


「むかしむかし遠くはなれた島国に恋する男の子と女の子がいました。

 空に浮かぶ月の下で彼は言いました。

 『僕は日本の男の子、君のことが好き、本当に好きなんだ。

 君は日本の女の子、僕のことが好き、そう言っておくれ』」

 

日本の恋する少年と少女が、後に結婚し、今でも変わらず愛し合って幸せに暮らしている。そんな姿を本当の愛のあり方として、君と僕もそうなるべきだと歌うロマンチックなバラード。

「西洋人のイメージする日本」といった趣のやや中国風なメロディは、同じく日本を舞台とした ザ・ビーチ・ボーイズ「想い出のスマ浜」に通じるものがある。


初出はボビー・ゴールズボロのシングル(1964年7月)。全米74位。

1968年にはアメリカのグループ、ハーパース・ビザールがアルバム「The Secret Life Of Harpers Bizarre」の中でカバーしている。

シングル「今日、今、この時」のB面にも収録された。

 


2. TO WAIT FOR LOVE


「愛のない一日なんて、悲しみの一日さ。

 明日を待っていてはいけないよ。

 愛を待っているなんて人生の無駄遣いだよ」

 

愛を待つのは人生の無駄遣い、だから僕と今恋をしようと歌う情熱的なナンバー。

初出はジェイ・アンド・ジ・アメリカンズのシングル(1964年2月)。

翌65年にはトム・ジョーンズがシングル「よくあることさ(It’s Not Unusual)」(1965年2月。全英1位、全米10位)のB面でカバーしている。

日本語詞バージョン(訳詩:安井かずみ。実際にはほぼオリジナルの内容)がシングルとして本作と同時発売されている(オリコン57位、B面は「ME JAPANESE BOY」)。

 

 

3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN


「恋に落ちて手に入るものは?

 君の憧れを風船のように割ってしまう女の子さ。

 どんなに頑張っても手に入るのはそれだけ。

 もう二度と恋なんかしない。

 もう二度と恋なんかするもんか」

 

誰かに恋するなんて辛いことばかり、だから少なくとも明日までは恋なんてしない、と歌うコミカルなナンバー。


初出はハル・デヴィッド/バート・バカラックのコンビが音楽を手掛けたブロードウェイ・ミュージカル「プロミセス、プロミセス」(1968年12月~、歌唱:ジル・オハラとジェリー・オーバック)。

同時期に発売されたオリジナル・キャスト版サウンドトラックにも収録された。

また、1970年にはディオンヌ・ワーウィックがカバーし、全米6位を記録している。

布施版ではグル―ヴィーなベースとドラムにのった軽やかなボーカルが楽しめる。

 

 

4. DON'T MAKE ME OVER


「僕を作り変えようとしないでくれ。

 君のためなら何でもする。

 僕を作り変えようとしないでくれ。

 君をどんなに愛しているか、分かっているだろう?」

 

相手を自分好みの人間に作り変えようとする恋人に、長所短所を含めてありのままの自分を愛してほしいと懇願するラブソング。


初出はディオンヌ・ワーウィックのシングル(1962年10月)。全米21位。

本稿でもその名前が頻出し、ハル・デヴィッド/バート・バカラックとのコンビで数々のヒット曲を生んだディオンヌ・ワーウィックのデビュー曲にして、初めてハル/バートのコンビから提供された楽曲。

布施版ではサビの若さあふれる荒々しいシャウトが聴きもの。

 

 

5. WINDOWS AND DOORS


「立派な邸宅が何だっていうんだろう。

 ただの窓とドアじゃないか。

 ねえ、宮殿が何だっていうんだろう。

 よく考えてみれば、ただの天井と床じゃないか」

 

 本当の愛は、窓とドアのようにお店で買うことはできない。

もし、幸運に見放されても僕たち二人がいるだけで十分だ、と歌う穏やかなバラード。


初出はジャッキー・デシャノンのシングル(1966年7月)。全米108位。

やや地味なメロディーのせいか売り上げが振るわず、カバー・バージョンもほぼないことから、当時のブックレットでは新曲として紹介されていた。

 

 

6. ALFIE


「一体どういうことなんだい、アルフィー

 それは僕たちの人生のほんの一瞬のことなのかい」

 

イギリス映画「アルフィー」(1966)の主題歌。主人公アルフィーは気の向くまま、かりそめの愛に生きるプレイボーイだったが…。


ラストシーンで流れるこの曲の歌詞は映画の内容と密接にリンクしており、女性の視点からアルフィーの生き方に疑問を投げかけ、真実の愛の大切さを歌いあげるドラマチックなバラードとなっている。

 

イギリス公開版では、イギリスの女性歌手シラ・ブラックが歌っているが(1966年3月。全英9位、全米95位)、世界で公開されたインターナショナル版ではアメリカの女性歌手シェールのカバー・バージョンが使われている(1966年6月。全米32位)。

また、翌67年にはディオンヌ・ワーウィックのカバーが全米15位を記録している。

布施版では、語りかけるような歌いだしから始まり、堂々と歌い上げる2回目のサビ、そして最後は演奏と共に消え去るようなボーカルと、その歌唱力と表現力を存分に披露している。

 

 

註:本記事内の歌詞の日本語訳はすべて管理人によるものです。 

 

 

布施明がバカラックに会った時(紙ジャケット仕様)

布施明がバカラックに会った時(紙ジャケット仕様)